幕末純想恋歌

「今日さ、葵ちゃん着るのなくてさ。それで平助の背と着物役にたったよ。」

「あ!!総司だったのかよ!?タンス荒らしたの!!」

「沖田さんのじゃなかったんですか!?」

「うん。僕があんな小さいの持ってるわけないじゃない。」

「……。すみませんっ、藤堂さん!きちんと洗ってお返しします。藤堂さんのって知らなくて。」

「いいよ、いいよ!気にしてないし、葵は全く悪くないから。」

「ありがとうございます。藤堂さん優しいですね。」

「えっ!?」

葵の一言に藤堂が赤くなった。

「…よかったな、平助。優しいってよ。しかも、おまえの着物着たってよ、こんな可愛いコが。」

原田が追い打ちをかけ、さらに赤くなる。

が、小声のため葵には聞こえない。

「?」

「餓鬼だな、平助は。」

「ホントに。お子様だよね。」

永倉と沖田の会話の意味も分からない。

「?どういう意味ですか?」

「あ~、分からない天然ちゃんはいいよ、気にしなくて。君も、まだお子様ってことで。」

「どういうことですか!?教えてくださいよ!!」

「いいから、いいから。」

笑ってて教えてくれない。

「も~!!」