幕末純想恋歌

「葵君は未来から来たそうだ。」

それぞれがいろいろな行動をする。

眉間に皺を寄せ意味を考える者、こめかみを揉むもの、耳を叩くもの、…色々だ。

「…あのよ、近藤さん。たぶん、聞き間違いだと思うんだがなんか、未来から来たとか言ったか?」

「言ったぞ。葵君は未来から来た。」

たっぷり三拍の間。

「…騙されてるんじゃねぇ?」

「新手の間者か?」

「騙されてなんかねぇよ。」

それまで黙っていた土方が口を開いた。

「俺も近藤さんも最初は疑ってたさ。だが、話を聞いていくうちにそれしかねぇってことになった。」

「あぁ、トシの言うとおりだ。そんな少女を放り出すなんてできん。というわけでここに住んでもらうことになった。力になってやってくれ。」

「難しい話はここまでにして、飯食うか。葵も、遠慮なく食えよ。弱肉強食だからな、ここは。」