幕末純想恋歌

「お待たせしましたっ!ごめんなさい、つい、寝ちゃって…。」

「ん、ちゃんとシャッキリしてきたみたいだね。なら行くよ。おなか空くと機嫌悪くなる人達がいるから。」

「ほんと、お手数お掛けしました。」

(ちゃんと涙の後はなくなってるね。)

そのために顔を洗わせたのだから。

それにしても、本人は気付いているだろうか。

自分が泣いていたことに。

泣きたいなら、おもいっきり泣いたほうがいいと思うんだよね、さっきみたいのより。

「…沖田さん?どうかしましたか?」

どうやら考え込んでしまったようだ。

「ううん。なんでもないよ。行こう、みんな待ってる。」

二人は再びともに歩きだした。