中には二人の男がいた。


一方は厳つい感じで、もう一方はとても端整な顔立ちをしている。


「まぁ、座りなさい。話はそれからだ。」


厳つい方が意外な暖かい笑顔で言った。


「私は、この浪士組で局長をしている近藤勇だ。それでこっちが副長の土方歳三だ。」


土方が口を開いた。


「で、おまえ、名は。何だって夜中にあんな所にいた。しかも、その服は西洋のか?話せ。」


話し方が少し怖かった。


苛ついているようだ。


「あの、私は、菖籐葵といいます。何であそこにというのは、その、あの……「未来から来たそうですよ、この子。」


黙っていた沖田が口を挟む。


「おい、総司、ふざけるな。んなことある分けねえだろ。」


「ふざけてませんて。だってこの子がいってたもん。ねぇ、葵ちゃん?」


土方が眉間にしわをよせている。


「おい、菖籐。今の本当か?」


「……たぶん。私の推測では。」


土方は、眉間にしわを深くし、黙った。