それから未来の酒の
ペースが速くなった。


「逃げてませんか?」



俺は未来の缶ビールを
ビニール袋に片づけながら
そう言った。



「え?私は結構飲むのよ~
学校の飲み会で鍛えられたのね。
ザルっていわれたことあるよ。」



あの未来が
缶ビールを飲んでる…

たくましくなったな~



「けっこうね……
色々あったん………
先生ってね大変なんだよ~
翔くんはあんまり大変なこと
知らなかったから
あんなに輝いていたのね~」



「先生って大変らしいな。
モンスターペアレントとか
不登校とかいじめとか
未来がそういう大変なことと
戦ってるなんて
想像つかないな。」



「もうね・・・
全部投げ捨てたくなる。
だけど……
朝になってここからね
翔くんの山を見て
そしたら…また頑張ろうか~
って思って
そんな今日この頃~~」



「そっか…
やっぱ先生が
未来を支えてるんだな…」



俺は十年後も先生には
近づけないのか……。



「でもね・・・・
やっぱ寂しい………」


未来はそう言ってソファーに
顔を埋めた。




俺はしばらく
対してみてないテレビを
見ていた。



「寂しいよね………。」



そう言い残して


そのまま眠ってしまった。