その夜未来に

「約束は白紙に戻してくれ」

と言った。


混乱している未来に
追い打ちをかけるように


瑠琉が今大切な存在だと言った。


俺のせいで
あんな体になった瑠琉を
見離すこともできなかった。
俺がいないとまた
瑠琉はおかしくなってしまう。



説明してと言いよる未来に


俺のことを嫌いになれと
逃げた。


未来が俺を嫌いになるわけがない


俺はどこかで
そう思っていた。



「一緒にいた時間は真実だったの?」


 真実……


俺は答えられなかった。



未来を愛してる。
だけどそこにいたのは
本当の俺じゃなくて……
俺はいつもカッコよくいようって
無理をしていた気がする。


未来が傷ついている。

胸が張り裂けそうだった。
だけど今はどうしようもない……


俺は瑠琉を選んだから。



瑠琉が助けてくれなきゃ
俺は死んでいた……。


そして瑠琉は命の次に大切にしていたものを
あの事故で奪われたんだ。


俺はその責任をとろうと
思った……


今思えば俺は偽善者だった。