屍の孤島

先程同様の不快な咀嚼音。

自分の体が、化け物に食われている…!

発狂しそうな状況と痛みに、それでも尚。

「放せ!」

鏑木はゾンビ達の頭に銃口を突きつけ、鉛の弾を叩き込む!

体にまとわりついたゾンビ達を始末し終えた頃には。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

彼の体は紅に染まっていた。

傷口から噴水のように迸る血液。

左腕などは再び食いつかれた為に千切れかかっている。

にもかかわらず。

「あと8発か…」

冷静にグロックの残弾を把握し、鏑木は構えた。

『残弾数は体で覚えろ』

彼を殺し屋として仕立て上げた師の言葉。

そして彼自身が過去に殺し屋として育て上げたパートナー、沙耶に語った言葉でもある。