だとしたら厄介だ。

一体仕留めるのに三発使った。

それなら。

鏑木はサッと視線を走らせる。

物陰から、工場の外から、扉の向こうから。

気配を感じさせる事なく潜んでいた工員のゾンビ達が姿を現す。

その数三十以上。

どれもそれまでのゾンビより大柄な体格の者ばかりだ。

全部仕留めるには弾丸が足りない。

適当にあしらってこの場を離れるしかないか。

グロックのグリップを握り締め、銃口を向けて牽制しながら、鏑木は少しずつ後退した。