恨めしげに階段下で呻くゾンビ達を尻目に、夕映はゆっくりと上の階に向かっていく。

確か祖母の病室は301号室だった。

ゾンビ達が階段を昇れないのならば、上の階に行くほど生存率は上がる筈だが、病院内にはエレベーターもある。

あれならば偶然に開いたエレベーターにゾンビが乗り込み、上の階に向かう事も可能だ。

祖母が生きているかどうか…そこは運に任せるしかない。

(おばあちゃん…)

心の中、祈るような気持ちで夕映は歩き出す。

今は共に島で脱出口を探している仲間達と同じくらいに、祖母の安否が心配だった。