「くぅっ!」

突然、肌を刺す激痛に梨紅は声を上げる。

井戸の底の地下水に触れている部分全てが、針で刺されるような痛みを感じている。

何度も何度も、鋭い突起物で突き刺されるような激痛。

井戸の底で暴れもがいても、その痛みは消える事はない。

…井戸の地下水には、ゾンビ化の元凶である寄生虫の幼虫が無数に住み着いているのだ。

梨紅は寄生虫の巣の中に転落してしまったのだ。

「あぐっ…いぎぎぎ…いっ…きゃああぁあぁぁっ!」

想像を絶する激痛に悶絶する梨紅。

これが私の最期か。

彼女は苦悶の表情を浮かべながら悟る。

痛みを感じる箇所が、徐々に土気色に染まっていく。

愛らしい天才子役として、多くの人々に愛された桜庭梨紅の愛くるしい顔までもが、醜い屍の顔へと変貌していく…!