途方に暮れ、砂利道を歩く。

もう散々走り回り、体力は消耗していた。

どこかで休息をとりたいものの、どこに行っても屍の群れに遭遇する。

もう秀一に、安息の地などないのかもしれない。

悲観的な発想にばかり囚われてしまい、陰鬱な気分になる。

俯き加減でひたすらに歩いていると。

「!」

秀一の視界が突然大きく開けた。

そこは段々畑が眼下に広がる場所だった。

植えてあるのは白い花。

シロバナムシヨケギク。

通称『除虫菊』と呼ばれる花。

その栽培をしている畑だった。