屍の孤島

しかし解せない。

本来人間には、このような臓器は存在しない。

ゾンビには、いつこのような臓器が現れるのか。

体内にこの臓器が潜んでいるとは考えにくい。

となると、外部からこの臓器は侵入してくるのか?

食物摂取による侵入?

ウィルス?

寄生?

確かに見様によっては、この臓器は生き物のようにも見える。

ドクン、ドクンと。

まるでその存在を誇示するかのように力強く脈動する謎の臓器。

その貪欲なまでの生命力に、小野寺は一種の嫌悪さえ感じてしまう。

と。

「……?」

既に夕暮れが迫り、暗くなってきていたので今まで気づかなかった。

その謎の臓器の他に、ゾンビの体内で小さな何かが無数に蠢いていたのだ。