屍の孤島

この警察官が、死後どれくらい経過した上でゾンビ化したのかはわからない。

が、関節部は死後硬直が始まっているにもかかわらず、血液は殆ど死斑の兆候が見られない。

心臓も、その他の臓器も、既に生命活動は停止している。

血液を送り出すポンプの役目を果たす心臓が停止しているという事は、体内に血液は巡らなくなるという事。

血流がない以上、血液は重力に逆らえず死体の低い位置に血液が沈下し、血液の色調が皮膚の表面に認められ痣の様な状態になる。

これを『死斑』という。

それがこのゾンビには殆どない。

思い起こせば、この島で遭遇したゾンビには全て死斑がなかった。

これはどういう事なのか。

小野寺は更に詳しくゾンビの体内を調べ。

「これは…!」

驚くべきものをその体内に発見した。