屍の孤島

皮膚を切り裂く音、そして切開部を広げる生々しい音。

素人ならば顔を背けたくなるような光景が広がる。

しかし小野寺は医療関係職に囲まれて育った人間。

このような光景は日常とはいかないまでも、比較的見慣れていた。

手術道具が揃っていない為に少々不便ではあるが、それでも手際よく解剖をこなしていく。

やがて。

「……!」

小野寺は切開したゾンビの体内を見て目を見張った。

何という事だろう。

想像だにしなかったゾンビの身体構造に、彼は驚愕せずにはいられなかった。