屍の孤島

更に探索を続ける。

交通課、市民安全課、少年課…。

様々な部屋があるものの、特に目ぼしいものは見つからない。

次に小野寺が訪れたのは留置場。

犯人や容疑者を一時的に拘束しておく、いわゆる牢屋だ。

鉄格子を掴んで、揺さぶってみる。

流石に頑丈に出来ている。

いざとなったらこの中に入り、鍵をかけてしまえば身を守れるかもしれない。

どこかで食糧でも確保してこの中で篭城すれば、しばらくは安全ではないだろうか。

そんな事を考えていた時だった。

「!」

カチャ、と。

ドアが開くような音がした。

続いて聞こえてくるのは、最早聞き慣れた音。

地面を引き摺るような、摺り足の音だった。