屍の孤島

そろそろ日が暮れてきているのだろうか。

警察署内は薄暗くなり、歩く事さえ慎重にならざるを得ない。

警棒片手に忍び足で辿り着いた場所は、刑事課。

よくドラマなどで見る、捜査一課だの強行犯係だのという刑事が詰めている部屋だ。

とはいえ、こんな小さな島の警察署。

デスクの数もせいぜい五つかそこらで、それ程規模の大きなものではなかった。

小野寺は足音を立てないように歩きながら、そのデスクを入念に調べる。

何か役に立ちそうなものはないかと物色する。

引き出しの中にあったのは手錠。

それからカッターナイフ。

どちらも何かの役に立つかもしれない。

上着のポケットに入れておく事にした。