祖国では王国軍の人間達に混じって朝は早朝に起き、愛馬の世話や共に訓練をしたりした。


そして、それは最早リスティーヌにとっては当たり前の生活であり、忙しいながらも充実した毎日だった。



逆に、後宮に入ることは大したことではない、と彼女は考えていた。


確かに、今まで自分が生まれ育ったラキアヴェル王国の地を踏むことが二度とないと思えば寂しさを感じる。


しかし、あまりにも唐突すぎたためにリスティーヌはそれすらも嘘のように思えていた。


実はこれは夢だと言われれば簡単に納得出来るだろう、というほどに。