史上最強お姫様の後宮ライフ覚書




一方、同じ建物の中にある「漆黒の部屋」では、とある青年が明かりも付けずに夜空を見上げていた。


「新しい正妃候補…ね。」


正直、彼にとって自分の新しい妻などに興味は無いが、流石に4人目ともなると両親からの無言の圧力を感じずにはいられない。


確かに自分も既に22になり、そろそろ潮時だろう。


彼が自嘲気味に笑うと、不意に扉を叩く音が聞こえた。


「――兄さん。入って良い?」


その声を聞いて彼が入室を許可すると、そこには黒眼黒髪の弟…フューレが居た。