「ちょっと、何なのよ、アンタ!馬鹿なの?死ぬの?女を馬鹿にしないでっ!アンタだって母親に産んで貰った身でしょっ!?」


緑色の大きな瞳でキッと睨み付けながら、リスティーヌはランティスをビシッと指差す。


対してフューレは最早ポカンとした表情で彼女を見るが、すぐにランティスが腕を組んだまま面倒くさそうに答えた。


「ふん、そもそもこのような場所で盛っているほうが悪い。フューレを誘惑するならせめて夜にしろ。」

「……はぁっ!?だから、別に盛ってなんかないし、誘惑するつもりもないわよ!」


すっとんきょうな声を上げて彼に食いかかるリスティーヌは、顔を真っ赤にして否定の言葉を叫んだ。


彼女の中は既にランティスに対するムカムカとしたものだけが支配していた。


「~~っ、もういいわ!そう思いたいんなら、勝手に思ってれば良いじゃないっ!」


そして、半分自暴自棄になりながらリスティーヌは回れ右をして自室がある方向へと足を向ける。


結局「女神の噴水」も見れず仕舞いだったが、彼女は一刻も早く目の前の失礼な男から離れたい一心でその場を後にするのだった。