――そして、オーリスとヴェルファイアがそんな漫才を繰り広げていた頃。
リスティーヌは口をあんぐりと開けたまま眩しすぎる豪華なシャンデリアを眺めていた。
現在は侍女服を身に纏い、金髪のカツラを被っているものの、リスティーヌは仮にも一国の王女。
しかし、目の前に広がる純白の大理石と黄金の装飾、そして紅い絨毯の先にある荘厳な玉座を見る限り、自国との国力の差を感じずにはいられなかった。
「――ようこそ我が王宮へ。ラキアヴェルのリスティーヌ姫よ。」
不意に名前を呼ばれてハッとするリスティーヌだったが、今の彼女は“リスティーヌ様”付きの一侍女。
だからこそ素の表情を出せていたようなものだが、あまりに呆けていた自分を戒めつつ、リスティーヌは玉座に構える帝王の顔をのぞき見た。


