ランティスはふん、と鼻息を鳴らすと、自分にまとわりついたままの少年に言い放った。


「馬鹿が。俺に付きまとう時間があったら仕事のひとつやふたつでも片づけてこい。」


少年が自分にまとわりつくのはいつものことで、ランティスがそれを振りほどこうとする気配はない。

これが、“ランティス隊長男色家説”を有力にさせている原因とも知らずに。


「やっぱり、ランティス隊長って最高だね。その冷たい態度、ゾクゾクしちゃうよ。」


クスリ、と笑みを溢して耳元で囁くオーリスにランティスが表情を崩すことはない。

ただ少し鬱陶しそうに眉を潜めるが、オーリスはそれを満足そうに眺めると、ゆっくりと腕を緩める。