声にならない……。





ほんの数秒なんだろうけど、お父さんが口を開くまでに長い時間がたっている気がする。




『ゆ、百合…じゃないよね?愛…愛子か?』




私は、コクンと頷く。


ベッドを少し起こし寄りかかっていたお父さんは、銀髪の腰にまでかかるであろう髪をかきあげ、更に体を起こして目を擦る。