数ヶ月後−


百合はまだ子供を諦めてはいなかった。
何度となくクロウに説得されても頑として首を縦には振らなかった。


まだお腹の膨らみは、目立つことはなく外部の人間に知られる事はなかったが、それも時間の問題だった。



百合とシバはこの時まだ赤ちゃんを産み、幸せに暮らす夢を見ていたに違いない。



そんな二人と対象的な人物が……




音も無くまた動き出していた。