その夜更けに、シバの部屋の扉が不意にノックされた。 『どうぞ?』 現れたのは百合だった。 『どうした?こんな夜中に。』 読んでいた本と眼鏡をサイドテーブルに置き、百合に入るよう手招きするシバ。 『ごめんね、こんな夜中に……。』 『構わない、一体どうした?』 『あ、あのね……』 『うん?』 『一人じゃ、なんか淋しくて……。』