少し先を歩いては、振り返るシバ。 『どこへ行くの?』 ようやく百合は、声を発した。 『私の屋敷だ。大丈夫、使用人もいるし、不自由しないはずだ。』 『ちょ…っと、ここはどこなの?』 『あとで話そう。今は、身体を暖めないと、風邪をひくぞ。』 ぶっきら棒にそう言うと、遠くに人影を見つけ、シバは、手を振った。