「美結」


「んっ……」


「俺もう仕事行くな」


「えっ?」


その声にハッと目が覚め、ベッドの上に起き上がる。


「ごめんね、マー君。また寝坊しちゃった」


「いや。気にしないで」


ベッドに座った愛人がそっと私の髪をかき揚げ、おでこにキスを落とす。


「なんでかな?最近ずっと眠いの」


コテンと愛人の胸に、体を預ける。


結婚してからずっと朝があまり得意ではない愛人を起こしてきたのに、最近はなぜか朝起きれなくて、愛人が一人でなんとか目覚しで起きて、私のことはそのまま寝かせてくれてる。


「習字の教室も始めたし、疲れてるんじゃないか?」


「そうなのかな?」


この前ベラたちに習字を教えてから、ベラとミアは暇なときに習字をやりに来てくれる。


クロエとレイラは仕事が忙しくてあれ以来会ってないけど、たまに連絡くれるし、みんなとはすごくいい友達関係を築いている。