秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「お義母さんも、覚えてる?」


『ええ。本当に小さなころだったのに。風邪をひいたときにね、作ってあげたの』


「そっか。作り方、教えてくれる?」


『ええ』


お義母さんに言われたとおりメモを取って、「ありがとう」と言い電話を切った。


「じゃあ、作ろう」


玉ねぎを食べやすい大きさに切って、お鍋で炒める。


火が通ったら牛乳やコンソメ水を加えて煮て、ご飯を入れる。


ゆっくりとコトコト煮込んで、最後にチーズを加え胡椒で味を調えて完成。


「ん。おいしい」


私が風邪をひいたときはママ特製のはちみつレモンだったけど、愛人が風邪をひいたときの思い出はこんな味だったんだ。


「少しでも食べてくれるといいけど」


お粥が入ったお鍋と二人分のお茶碗、スプーンをお盆にのせて、愛人が寝てる寝室に運びベッドサイドのテーブルに置く。


そっと愛人の様子を見ると、まだ眠ってるみたいだった。


もう一度寝室を出て、今度はジンジャーティーをティーポットに入れて二人分のカップを持ち、寝室に戻った。