秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「ん?」


「ミルク粥。小さいとき、母さんが作ってくれた」


「うん。分かった」


ゆっくりとゆっくりと、愛人の頭をなでる。


「それだけ、覚えてる」


「そっか。じゃあ作ってくるから、寝ててね」


それから、愛人が眠るまでずっと頭をなでてた。


「覚えてるんだ」


なんだか、ちょっとだけ嬉しくなった。


愛人とお義母さんの昔を思ったら、それって愛人の心にとても深く残ってる思い出ってことだよね。


しかも、とってもいい思い出。


今はお義母さんと仲良くやってる愛人だけど、昔にもそういう思い出ってやっぱりあったんだね。


ベッドから降りて、氷枕作り直すためにキッチン向かう。


「よし。新しいタオルを巻いて完成」


もう一度寝室に戻って愛人の頭の下に敷き、静かに寝室のドアを閉めた。