秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

カップを受け取りベッドサイドのテーブルに置いて、横になった愛人に布団をしっかり掛けてあげる。


「寒い?」


「いや、少し暑い」


「じゃあ、氷枕作ってくるね」


カップを持って椅子から立ち上がると、愛人に手をつかまれた。


「美結」


「ん?」


「あんまり近づかないで。うつるといけないから」


「マー君のバカ。そんなこと言われたって、熱が下がるまでずっと一緒にいるってもう決めてるもん」


つかまれた手を振りほどいて、急いで寝室を出た。


「マー君のバカ……」


零れそうになる涙を袖で拭う。


愛人はいつもそうだ。


自分の体より、私のことを心配する。


それはとても嬉しいけど、自分のことももっと大事にして欲しいよ。