「私、一番悲しいのはマー君と離れ離れになることだよ。だから、日本を離れるのはマー君と一緒なら大丈夫」


「美結、おいで」


胡坐をかいた愛人の足の中に収まる。


体の力を抜いて、愛人に全てを預けた。


「じゃあ、もし南極に行けとか言われてもついてきてくれる?」


「うん」


「どっかの危険地帯でも?」


「もちろん。ずっと一緒にいるもん」


後ろを振り向けば、愛人と目が合う。


「美結」


そっと顎を持たれ、唇が重なった。


「りんごの味がする」


「マー君も」


「美結、愛してる」


その言葉と共に、もう一度唇が重なった。