愛人が笑顔でうなずいてくれる。


「じゃあ、少しずつ準備しようかな」


習字の先生をやれると思ったら、なんだか今の生活がもっと楽しいものに感じてくる。


「でも、美結」


「ん?」


「習字ばかり相手にしないで、俺も相手して」


「もう、マー君ってば」


ハハって愛人が笑う。


「なんか、楽しくなってきた」


「そうだな」


優しい顔をした愛人が、私の頭をなでてくれた。


愛人と二人で歩む人生だけど、一人一人やることがあってもいいよね。


これから始まる私の人生。


楽しみだな。


そんなことを思いながら、みんなで食事を進めた。