愛人の希望通りに紅茶を淹れ、ママに貰ったケーキを切ってリビングに運ぶ。


「マー君、隣座って」


「ああ」


リビングの床に敷いてあるカーペットを叩くと、愛人が私の隣に座ってくれた。


なんとなくテレビをつけると、クイズ番組がやっていた。


ケーキを一口食べる。


「うーん。幸せ」


甘酸っぱく煮たりんご、サクサクのパイ。


やっぱりママの作ったケーキは最高。


でもこのケーキも、またしばらく食べられなくなるんだよね。


「なあ、美結」


「ん?」


「ほんとは、日本離れたくない?」


「マー君・・・」


私を見つめる愛人に、プルプルと首を横に振る。