秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「ふう」


それからどれくらい書いてたか分からない。


「キャッ!」


集中力が切れたところで背中を伸ばすと、後ろから誰かに抱きしめられた。


「ただいま、美結」


「へっ?マー君?」


「あたり」


慌てて壁に掛かってる時計を見ると、夕方の6時。


「どれくらい書いてたの?」


「うんと、3時間くらい?」


「すごい集中力」


顔を上げると、おでこにキスを落とされた。


「ごめんね、マー君。夕ご飯の準備、何にもしてない」


習字に夢中になりすぎて、愛人が帰ってきたのは気づかないし、夕ご飯の準備もしてない。


これじゃあ愛人の奥さん失格だよ。