秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「どなたですか?」


玄関を開けると、ベラが笑顔で立っていた。


「ベラ?どうしたの?」


「暇だから来ちゃった。美結、時間ある?」


「うん。上がって」


ベラが家の中に入ったのを見て、玄関を閉めた。


「なんか、変わった匂いするね」


鼻をクンクンさせるベラ。


「あっ、ごめんね。墨の匂いだ」


いい墨を使うほど、いい匂いがする。


私はずっと習字をやってて墨の匂いに慣れてるけど、ベラみたいに初めて嗅ぐ人にはヘンな匂いなのかも。


この墨の匂い、私は落ち着くんだけどな。


慌ててキッチンに行き、換気扇をつける。


「わ~美結、何やってたの?」


リビングに入って来たベラが、驚きの声を上げる。