「私も働いてみたい」


「心配。てか、美結が働かなくても十分生活出来るし、ベラみたいにいっぱい買い物すればいいのに」


そう言って愛人は苦笑いを浮かべる。


「でも美結のその感覚は大切だし普通」


「そっか」


愛人が私の頭をなでる。


「働きたいなら、習字の先生やれば?」


「うん、そうだよね。生徒さん集まってくれればいいな」


習字道具は日本から持ってきてる。


しばらく触れてなかったから、また書き始めよう。


それから、いつかここで習字の塾を開けたらいいな。


せっかく資格を持ってるんだから、それを生かさないとね。


「おやすみ、美結」


「おやすみ、マー君」


どちらともなくキスをして、眠りに落ちていった。