「寝よっか」


「うん」


二人で寝室に向かい、ベッドに入る。


「そうだ。今日ベラと出掛けたんだろ?」


「うん。コート買ったの。あのね、ベラってばすごい買い物するんだよ」


「そうなの?」


愛人に腕枕をしてもらいながら、今日あったことを話す。


「小さいころからカードもらってたから、あんまり誰が稼いだお金で、それを使わせてもらってるっていう感覚がないみたい」


「美結は小さいころどうしての?」


「大学までお小遣い貰ってたよ。パパがね、バイト禁止って」


「そう言えばそうだったな」


パパはなぜかバイトをさせてくれなかった。


それを愛人に相談したら、それだけ美結のことが大切で心配なんだって言われたんだけどね。


でも一回くらいバイト経験してみたかったな。


今まで一度も、働いたことないもん。