秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

『8時ごろには帰れそうだから』


「ほんと?」


いつもより早い帰りで、若干声が高くなってしまった。


『嬉しい?』


電話の向こうで愛人が笑ってるのが分かる。


「嬉しい。ご飯食べないで待ってるからね」


『ああ。あと少し頑張るな』


「うん」


電話を切って、夕ご飯作りを再開する。


ハンバーグは、愛人が帰って来てから焼くことにした。


かぼちゃのポタージュの味を調える。


「よし。完璧」


使ったものを片付けて、盛りつけ用の食器を出す。


「早く帰って来ないかな?」


食器をテーブルに並べながら、玄関が開く音に耳をすませた。