「そっか」


愛人の肩に頭を乗せる。


「マー君。ヒール脱いでいい?」


「いいよ」


ヒールの靴を脱ぐと、なんとなく足の疲れから解放された。


「美結、眠い?」


「ちょっとだけ」


「眠っていいよ」


「うん」


愛人の肩に頭を預けたまま、目を閉じた。


しばらくすると、私は眠りの世界に落ちていった。


「では、玄関まで」


「ああ、悪いな」


耳元で聞こえる声に、ゆっくりと目を開ける。


「ごめん、起きちゃった?」