秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「ああ。そうだな」


手術室の前は静かで、いつもはあまり気にしていない時計の針の音が、カチカチと頭に響く。


美心の手術が終わるまで、私たちはただ寄り添っていた。


2時間くらいたっただろうか?


手術室のドアが開いて、クリス先生が手術帽を取りながら中から出てきた。


「先生!」


クリス先生の元に急いで行くと、私たちを見た先生は笑顔を見せた。


「手術は成功しました。これからの経過が大切ですが、一安心です」


「ありがとうございます」


二人して頭を下げる。


「美心ちゃんが頑張ったからですよ。いっぱい褒めてあげてください」


「はい」


クリス先生が立ち去ると、手術室の中からストレッチャーに乗った美心が出てきた。


「美心、頑張ったね」


「頑張ったな、美心」