「美心、ママだよ」


美心は、とっても小さかった。


そしてその体には、いくつもの医療機器がつけられていた。


「美心、パパだよ。君に、すっごく会いたかったんだ」


「美心。ママもね、あなたにすっごく会いたかったの」


保育器の窓から指を入れて、そっと美心の手に触れる。


「美心は、温かいね」


指に伝わってくる美心の体温に、思わず泣きそうになる。


「頑張ろうね、美心。一緒に乗り越えようね」


これからこの子には、乗り越えなければいけない試練がいっぱい訪れるだろう。


「パパが、守ってあげるから。だから、安心していいからな」


その言葉に答えるように、美心は弱々しいけど、それでもギュッと私の指を握った。


「かわいいね」


「ああ」


どんなに医療機器がいっぱいつていても、私たちにとっては最高にかわいい子。