「あの子の名前を決めたんだ」


「どんな名前にしたんだ?」


お義父さんの問いかけに、私たちは顔を見合わせて笑顔を浮かべた。


「美心(みこ)って言うんだ。美しい心って書いて美心。美結の美と、いつまでも美心のことを大切に思ってくれてる人の心を忘れないようにって」


「いい名前だな」


「うん。素敵」


そう言ってパパとママが褒めてくれる。


「綺麗な名前ね」


「ああ。いいな」


お義母さんもお義父さんも、あの子の名前を聞いて笑顔を浮かべてくれた。


それからしばらくみんなで話をしていると、部屋のドアがノックされて看護師さんが入ってきた。


「赤ちゃんに会えますよ」


その言葉に、みんなの顔がパッと輝く。


「美結さんはまだ車椅子の方がいいわね」


そう言って看護師さんは、私の傍まで車椅子を持ってきてくれた。