秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

ゆっくりと首だけ動かしてドアの方を向くと、入ってきたのは愛人だって分かった。


「マー君」


「あっ、美結起きた?」


「うん」


ベッドの傍に置いてあった折りたたみの椅子を広げてそのに座った愛人は、そっと私の頭をなでた。


「今、父さんたち送ってきた。病院の近くのホテルに泊まって、明日また来てくれるって」


「そっか。まだ、あの子には会ってないんだよね」


「うん。クリス先生に、面会は明日以降って言われたよ」


「早く会いたいね」


「ああ」


私の言葉に、愛人が頷く。


それからそっと、私の手を握った。


「なあ、美結。あの子の名前、どうしようか?」


「そうだね……」


二人で赤ちゃんの名前を考える。