秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

久しぶりにこっちから電話をかけるからか、お義母さんの声はとっても明るかった。


「ああ、元気だよ。そっちはどう?」


『みんな元気よ』


「そっか、よかった。それでさ、話があるんだけど……」


愛人が私の手を握り、ひと呼吸置く。


「ごめん、母さん。ほんとは、こんな報告したくなかったんだけど」


『なに?なにかあったの?』


「実は、赤ちゃんの心臓に病気が見つかったんだ。俺と、同じ病気が」


電話の向こうで、お義母さんがハッと息を呑むのが分かった。


『……ごめん、ごめんね。愛人、美結さん』


一瞬の沈黙のあと、お義母さんが泣きそうな声で謝ってきた。


「母さん、謝らないで。母さんは何も悪くない」


『でも……』


「俺も美結も大丈夫だから。もちろん、赤ちゃんも」


「マー君、電話かわって」