秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

『もしもし、美結?』


パパからかわって、すぐにママの心配そうな声が聞こえてきた。


「うん、美結だよ。赤ちゃんもいるよ。ママ、パパの隣で聞いてたの?」


『だって、パパが愛人君からだって言うから。隣で聞いてたら、赤ちゃん……』


ママが言葉に詰まる。


「ママ……」


『でも、大丈夫よね。美結と愛人君の子供だもん』


「うん。私たちの子供だもん。絶対大丈夫」


ママと、そして自分に言い聞かせるようにして、「大丈夫」という言葉に力を込める。


『会いに行くね』


「うん。ねえ、ママ」


『ん?』


「ひとつだけ、ワガママ言っていい?」


そっとお腹に手を置いて、ゆっくりとなでる。


「あのね。なるべく早く、パパとママに会いたい。赤ちゃんも、そう言ってるし……」