赤ちゃんの病気が分かってから、この話題は何となく口に出せないでいた。


日本にいる私たちの家族は、普通に元気な赤ちゃんが生まれてくると思ってる。


孫が生まれてくるのを、楽しみに待ってる。


「パパとママはね、もちろんショックは受けると思うけど、それでも受け入れて大丈夫だよって、応援するからなんでも言って、って言ってくれると思うんだ」


「うん、分かるよ。問題は、俺の親だよな。特に母さん」


愛人が深いため息をつく。


「お義母さんきっと、自分を責めるよね」


「ああ」


私たちがなかなかこのことを報告出来ないでいるのは、愛人のお母さんが自分のせいだって思ってしまうと思ったから。


病気を持った愛人を生んだことで、愛人が病気を患ったのは自分のせいだと思ってしまったお義母さん。


その病気が孫にも遺伝してるって分かったら、どれだけショックを受けるだろう。


また自分の責めてしまうかもしれない。


「でも、俺から話すよ。いつまでも、隠し続けられることじゃない」


「私も傍にいる」


「うん。俺が仕事から帰ってきたら、電話しよう」