その言葉を聞いて、涙がスッと引いていった。


「大丈夫、美結。俺が入院してるとき、美結が俺の心の支えだったように、今度は俺が美結の支えになるから。だから、安心して」


「うん。大丈夫だよね?」


「ああ。だって、俺たちの子供だから」


愛人がニッコリと笑う。


「美結、無理にとは言わない。だけど、美結には笑ってて欲しい」


「マー君……」


ふと、昔の記憶が蘇った。


「ねえ、マー君。また、約束しよう。昔、マー君はごめんって言わない、私は泣かないって約束したみたいに」


「そうだな。俺は、美結やこの子を守り抜くって約束する」


「私は、やっぱりあのときみたいに、泣かないって約束にする」


「二人で、いや、三人で乗り越えよう。俺たちなら大丈夫だから」


「うん」


私も愛人も、不安に押しつぶされそうになってる。


それでもこのとき、私たちは何があっても乗り越えるって、お互いに強く誓ったんだ。