ドクンドクンと、赤ちゃんの心臓の音が聞こえる。


ただそれは、規則正しく聞こえてたと思ったら、急に不規則になったりしていた。


「先生、どうなんですか?」


ジッと超音波のモニターを見つめているクリス先生に耐えられなくなったのか、愛人が口を開いた。


「うん。そうだね」


クリス先生が、私たちに向き直る。


「じゃあ、話していいかな?」


その言葉に、私たちは顔を見合わせて、静かに頷いた。


「診たところ、君たちの赤ちゃんは心臓の病気を持っているね」


それは、辛い宣告だった。


クリス先生から語られた病気は、愛人と全く同じもの。


こんなことって、あっていいのかな?


こんな辛いこと、あっちゃいけないよね?


だって私たちは、もう十分苦しんだもの。


どうして神様は、こんなに意地悪なのかな?