秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「もしかして家族に、心臓に病気を持った人がいる?」


アダムの質問に、私の手を握っていた愛人の手にさらに力がこもった。


「……俺です。生まれたときから、病気でした」


「そうか」


そう一言答えたアダムは、ペンを走らせた。


「これ、大きな病院の紹介状だよ」


アダムが私たちに一枚の封筒を差し出す。


「この病院にはいい産婦人科医と小児科医がいるからね。安心して見てもらって」


「はい。ありがとうございます」


愛人が封筒を受け取る。


「大丈夫だよ。そんなに心配しないで」


診察を終えたアダムが、笑顔でそう言ってくれる。


それでも私たちは硬い表情を崩せないまま、病院を出た。


二人で一旦、家に帰る。


「ごめん、美結」