私をソファに座らせた愛人が、アダムと立ち話をする。


「美結、調子はどうだい?」


「マー君が何もさせてくれないから、とっても調子はいいよ」


「ハハッ、そうか。相変わらず仲がいいね」


そう言ってアダムは笑うと、私たちを診察室に案内した。


「さて、今日も君たちの赤ちゃんは元気かな?」


ベッドに横になった私に、早速アダムが超音波検診を始めた。


「やっぱり赤ちゃんはかわいいね」


私たちの子供を画面越しに見て満足そうに頷くアダム。


「ルークもかわいいでしょ?」


「もちろんだよ。だけどほんとは、もう一人欲しいんだ」


診察は、とっても和やかな雰囲気で進んでいった。


楽しそうに赤ちゃんの様子を説明してくれていたアダムの顔が、急に険しくなるまで。


「ちょっとごめんね」


真剣にエコーの画面と向き合うアダムを見て、なんとも言えない不安が襲う。