「行こう、美結」


「うん」


私たちの住む部屋は、マンションの最上階。


二人で住むにはちょっと広すぎるくらいなんだけどね。


でも、誰かが泊まりにきたとき部屋がないのは困るから。


エレベーターに乗って、一番上まで行く。


「どうぞ、美結」


鍵を開けて、愛人が部屋に促してくれる。


「どう?」


リビングの電気をつける。


「わー全部揃ってる」


大きなテレビに、ソファー、テーブル、本棚、シンプルだけど必要なものが揃ってるリビング。


台所用品、愛人がずっと欲しがってた食器洗浄機、キッチンにも全部必要なものが揃っていた。


「寝室も見る?」


「うん」